IZUMO
 メーカー名:Studio e・go!
 発売日:2001/12/21
 メーカーホームページ:
http://www.studio-ego.co.jp/        評価:B+(75点)
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 エゴ作品のうち,評判の良いものを集中的にやってみようということで購入してみました。

【ゲームシステム及び内容】
 ゲームシステムとしてはADV+RPG。通常パートはADV形式で進み,ダンジョン探索時には3D描写されたダンジョンを歩き回るフィールド型RPGに移行します。また,戦闘パートでは,特定の順番に攻撃指令を出すと与えるダメージが上がるというコンボシステムを採用しています。
 まず,個々のパートの発想は良いと思います。特に戦闘パートのコンボシステムは,単純ながらも結構考えさせられる仕組みだったのは○。RPGパートなども頑張って作っている感があるし,また繰り返しプレーする必要の無いように,個別ルートへの分岐を終盤近くに持ってくる配慮があったのも良かった。ただ,
 (1)RPGパートではせめて方位を表示して欲しかった   オートマッピングまで欲しいとは言わないが,画面を俯瞰する角度が変えられるシステムだと,方位を表示しないとどっちの方角に進んでいるのかわからなくなることがしばしばあるので,せめて方位表示機能は欲しかったですね。
 (2)RPGパートに作業感を抱きやすい   特に,マウスでしか移動できない(キーボード不可)&ワンクリックで1歩しか進まないのはどうにかして欲しかった。このせいで,ゲームを楽しむよりもマウスをクリックする作業感の方が感じられてしまって×。あと,ダンジョン攻略のためだけにしかRPGパートがない(つまり,RPGの醍醐味の一つである街の散策や住民との会話といった要素がない)のも個人的にはマイナス。
 以上2点があるため,個人的にはRPGパートには不満がありますね。

【システム】D
 システムはいつものエゴ。バックログに音声再生機能が無い点を除き,これといって機能面では不満はありませんでした。ただ,(1)動作が重めで,ド派手な画面効果のある技を使うと処理落ちすることが多い,(2)結構な割合で強制終了やフリーズが起こる点,以上2点は大減点ですね。まあ,オートセーブ機能が秀逸なので(2)が起きても直前から復帰できるんですけど,やはり印象は良くないです。

【音楽・音声】音楽:B−,音声:B+
 音楽はBGMについては秀逸な出来だと思います。本作は日本神話がモチーフになっていますが,よくその独特の雰囲気を煽っていたのではないかと思いますね。ただ,主題歌はサビの部分が余り好きじゃなかったです(サビ以外はいいんですけどねえ)。
 音声は,本サイトで取り上げたエゴ作品,「キャッスルファンタジア〜エレンシア戦記〜リニューアル」「キャッスルファンタジア〜聖魔大戦〜リニューアル」の2作と比較すると,ややレベル低下の感は否めないと思います。特に抑揚が無く棒読みに近い女性声優さんが散見されたのは残念なところ。とはいえ,七海とかの演技はバッチリだったし,エロゲー全般で言えばレベルの高い方だと思うんですけどね。あと,エゴらしく男性声優も含めてフルボイスなのは大変良いです。やっぱ男の声だけ無いと間の抜けた感がありますからね。

【絵・エロ】絵:A,エロ:B+
 担当は「山本和枝」女史。非常に良いです(特に制服のデザイン)。女史の底力を見せつけられた気がしましたね。また,エロもCGの使い回しが多いのが難点ですが,でも回数・内容とも充実させようという姿勢が見れて◎。着衣Hも多いしね。さらに,特筆すべきは立ち絵表情のバリエーションの豊富さ。喜怒哀楽取り混ぜて表情をコロコロ変えているのは,見ていてとても楽しいです。あと,デボスズメをはじめ,敵キャラの絵が可愛かったのも○。
 ただ,折角制服のデザインが良いのに,制服でのHが渚にしかない(しかも何故か渚のH時には靴下の描写がない……
。・゚・(ノД`)・゚・。ドコヘヤッタノサ…)のはマイナス。特に9章の倉庫でのイベントで綾香の制服姿を想起する場面があるんだから,そこに絵をつけて妄想でのHをいれるとか,そういったHを拡充する工夫は欲しかった。あと,立ち絵と一枚絵で,服装に齟齬があった点は気になりました。

【シナリオ】B+
 担当は「高橋直樹」氏。結論から言うと,「きっちり・理路整然としたシナリオに仕上がっている反面,遊び・ゆとりの要素が皆無でやや面白味に欠ける」出来ですね。
 シナリオ自体は良くできています。日本神話をモチーフに,独特の設定・雰囲気を交えつつ,上手い具合に異世界越境もののシナリオを書き上げています。展開もお決まりのものが中心(自分の意志に反して異世界に越境→試行錯誤の末,いったん現実世界に戻る→しかし今度は自分の意志で再度異世界に渡る)で,先が読める内容ではありますが,話が破綻している箇所などはほとんど無いので,安心してプレーできる点は◎。また,序章中の何気ない会話が本章中で伏線になっていたりする点や,貼った伏線がちゃんと回収されている点も良かったですね。
 ただ,このようにきっちりとした話の運びになっている反面,お遊びの要素やゆとりの要素(つまり,話の展開に全く関係のない与太話や脱線)がほとんど無く,メインの話以外に楽しめる要素がほとんど無いのは個人的には残念。「エレンシア戦記」のベンジャミン関連のイベントのように,時としてメインの話を食ってしまうくらいのインパクトと内容が与太話にもあると,シナリオ全体では面白みが増すのではないかなというのが私感ですね。あと,各キャラとも,結構重い設定になっているので(特に綾香),その手の話が全くダメという人はちょっと注意が必要かも知れません。
 総じて,シナリオの出来としては模範的ではありますが,意外性や話のゆとりが無く,結局ストーリーを描き出すことだけに終始してしまっている感がぬぐい切れませんでした。

【結論】B+
 「努力の跡が多々見受けられるが,RPGの出来としては今一歩。RPGの基本に返ることが必要なのでは?」。毎回面白くしようと工夫している跡が見受けられるのですが,どうしても作業感がぬぐいきれないところがエゴゲーの弱さかもしれません。私はRPGが好きで,エロゲーでも「闘神都市2」,「ワーズワース」,「テイルスナイツ」,「Danger Angel」「蒼煌の城」等,結構プレーしているんですが,これらの作品では作業感を感じることがないのに,どうしても本作だと作業感を感じてしまうんですよね。もしかすると,RPGがダンジョン探索と戦闘でしか採用されていない(あとは全てADV形式)ことが,「RPGパート=作業」という印象を与えているのかもしれません。また,3D等に凝るのは大変結構なのですが,そのせいで動作が重くなったりシステムにバグが出たりするのは本末転倒じゃないかなあ,と個人的には思ってしまいますね。
 全体的には良くできているし,決してつまらないことは無いんですけど,もうちょっとゲームとして遊びやすく&面白くなるよう,作り込んで欲しかったなあというのが感想ですね。

 私の萌えキャラ→やはりアマテラスですね。時折見せる弱さや甘えが激しく萌え。


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